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今泊 いまどまり


今泊
 今帰仁と親泊が合併し今泊となる。そのため二つの神ハサギが統合されることなくある。今帰仁グスク(国指定〉を抱えた字(アザ)である。親泊はりっぱな港に由来する名称であろう。今帰仁グスクは世界遺産に登録され、沖縄の歴史の北山・中山・南山が鼎立した時代の北山王の居域である。麓の今泊の集落は福木に囲まれ、落ち着きを見せている。集落のほぼ中央部を東西に走るプゥミチ(大道)は馬場跡である。その中央部にコバテイシ〈県指定〉の大木があり、付近は豊年祭の会場となる。麓に今帰仁ノロ殿内があり、今帰仁村・親泊村・志慶真村の祭祀を掌る。


兼次 かねし
 国道505号線が兼次の集落を二分している。国道沿いに簡易水道のタンクがあり、お茶を沸かすのにいい水のようで水汲みをする人の姿がみられる。水源地はウイヌハ−である。今泊地番に兼次小学校と幼稚園がある。兼次のもとの集落は山手の古島原あたりにあり、時代ははっきりしないが現在地に移動している。


諸志 しょし
 明治36年に諸喜田村と志慶真村が合併した村(現在のアザである。)そのため二つの神はハサギがある。国道505号線を横切るように諸志御嶽の植物群落(国指定)がある。亜熱帯地域の石灰岩の上に形成された植物群落の極相状態の森である。中城ノロ殿内があり、中城ノロは崎山・仲尾次・与那嶺・諸喜田・兼次の五力村の祭祀を掌るノロである。集落内に焚字炉(フンジロ)(村指定)があり、佐田浜には赤墓がある。


与那嶺 よなみね
北側は海に面し与那嶺長浜(ユナーミナガ八マ)がある。公民館の前方の広場に赤木の大木がある。付近には神ハサギがあり、その広場に舞台を設置し豊年祭が行なわれる。八サギミャー回りには、松やアコウ、福木、ユシギなどの老木が目立つ。集落前方の前田原は、かつて水田が広がlり、ユナンガー(与那嶺湧泉)がある。


仲尾次 なかおし
 古くは中城と記され、近世中頃〈18世紀)になると仲尾次と表記されるようになる。移動してきた村で、もとの場所は平敷地番のスーガー御嶽(ウタキ)付近である。そこは仲尾次の御嶽となっている。公民館付近に神八サギがあり、また一帯に松の大木やアコウなどがあり季節になるとアカショウビンやフクロウがやってくる。国道505号線沿いに県立北山高等学校がある。崎山の東側の海岸にウドゥイバンタ(踊崖)があり、そこで仲尾次の豊年祭のとき御願踊り(ウガンウドゥイ〉が行われる。雨乞いの祈願でもある。


崎山 さきやま


崎山にて
 今帰仁村で茅葺きの神ハサギは崎山だけである(村指定)。周辺に拝所がまとめられている。集落の北側をクシスクミチが走り、沿って松並木がある。港原があり炬港に面している。スイカの栽培が盛んで、戦後は清浄野菜の栽培で米軍向けに出荷していた。今でも野菜の栽培が盛んな字〈アザ)である。海辺に宇佐バンクがあり、浜やリーフがいい。


平敷 へしき


平敷
 集落は国道505号線で分断されている。集落の北側に御嶽があり、その南側は遺跡になっている。御嶽の中に神アサギやイビなどの拝所がいくつもある。付近にはピシチガー(平敷湧泉)があり豊富に水が湧いている。「平敷泉ぬ水や 石かみてい湧ちゅさ平敷美童ぬ思い深さ」と謡われる。国道沿いに一本のガジマルがあり、ムラの風水〈フンシー)になっているのだろうか。


越地 こえち
 昭和12年に謝名と仲宗根の一部を分割して創設された字〈アザ〉である。今帰仁小学校があり、また隣接して仲原馬場(県指定)がある。周辺の松並木は察温松と呼ばれ、見事な枝ぶりを見せている。越地浜は大井川の河口に位置し炬港(テーミナト)と呼ばれる。かつて港として機能していたところである。


謝名 じゃな


謝名
 乙羽岳の麓にある字(アザ)である。古い集落は大島原にあり、御嶽や神アサギがある。御嶽を背にして集落が南斜面に展開する。その下方は前田原で、かつて水田が広がっていた場所である。現在はキクや砂糖キビなどが栽培されている。国道505号線沿いに診療所やJA沖縄今帰仁支店や歯科などがある。ところどころに察温松と呼ばれる大木の松並木がみられる。越地を分字したので海を持たない字(アザ)である。


仲宗根 なかそね
 大井川の流域に発達した今帰仁村内で唯−マチの風景をなしている。旧集落(ムラウチ〉はグシクンチヂを背景に南斜面に形成される。人口が増えてくると、川向こうのターバルあたりに集落ができ、さらに明治31年頃大井川に橋が架かると、玉城のフルマチから仲宗根の前田原に質屋や市場がつくられマチができる。サンタキから大井川橋にかけての道路は今でもミーミチ〈新道〉と呼ばれている。大正5年に今帰仁村役場が運天から仲宗根に移転すると、仲宗根が今帰仁村の中心となる。昭和40年代まで映画館があった。統合された今帰仁中学校がある。


玉城 たましろ
 岸本・玉城・寒水の三つの村(ムラ)が合併してできた字〈アザ)である。その名残は三つの神アサギに見ることができる。三つの村が合併するが、もともとノロ管轄が異なるため、合併後100年になるが祭祀は一体化していない。玉域の山手にスムチナ御嶽があり、そこは玉城ノロ管轄の玉城・謝名・平敷・仲宗根の四力字の御嶽である。因みに岸本と寒水は岸本ノロの管轄のムラである。寒水はパーマ(浜)と呼ばれ、明治31年頃までマチがあり、移転後一帯はフルマチと呼ばれる。仲宗根から呉我山ヘウイガーバンタを通っていたが、その崖を避けて乙羽トンネルがつくられた。今帰仁の道の駅「そ一れ」がある。


呉我山 ごがやま
 大正9年に玉城・漠川・天底の一部を分割してできた字(アザ)である。大井川の上流部に位置し、本部町伊豆味と接している。呉我山は山手にあり、寄留人の多い字(アザ)である。パインやミカンの栽培が盛んである。二つのトンネルがあるが、−つは呉我山トンネルである。


湧川 わくがわ


湧川小学校
 湧川は今帰仁村の東側に位置し、1738年に創設されたムラである。羽地内海に面し、内海にはヤガンナ島とサガヤ島が浮かぶ。嵐山からの眺めはいい。海岸に塩田跡の石積がのこつている。ムラ内には御嶽や神アサギ、新里ヤーなどの拝所がある。豊年祭には棒術や路次楽〈県指定文化財)などが行なわれる。湧川小学校があり一区一校である。


天底 あめそこ
 天底は今帰仁村の東側に位置し、1719年に現在の本部町伊豆味付近から移動してきた村(ムラ)である。天底にはアミスガーがあり、淡水のシマチスジノリが自生している(県指定天然記念物)。当初、集落は神アサギや御嶽(ウタキ〉あたりに移動するが、明治以降になると、さらに天底小学校から山岳(サンタキ)あたりに移動する。天底から屋我地に向けて道路ができ、屋我地島と天底との間に橋が架かり、そこから古宇利大橋へとつながる予定である。


勢理客 せりきゃく
 勢理客は今帰仁村の東側に位置し、「せりかくのろの あけしののろの」とオモロで謡われるムラである。公民館の近くにヌルドゥンチ跡や神アサギがある。その後方にウタキもある。勢理客ノロ殿内には祭祀の時に使うカンザシが二本のこっている。勢理客・上運天・運天・湧川の祭祀を掌る。ノロ家から今帰仁間切の役人を何人も出している。面積としては一番小さな字(アザ)である。


渡喜仁 ときじん


渡喜仁
 昭和15年に勢理客・仲宗根・運天・上運天の一部を割いて分字した。渡喜仁一帯は台地上になっていて本村から離れた場所にある。首里や那覇、久米などから寄留してきた人で形成されたヤードゥイ集落である。北側は海に面し、美しいウッパマ(大浜)があり、崖の下にヒ−ジャーガー〈樋泉)がある。


上運天 かみうんてん
 伊是名島と伊平屋島を往来するフェリーが発着する運天港〈浮田港ともいう〉がある。対岸の屋我地島の岬にオランダ墓がある。1846年にフランス艦船がきて一月ほど碇泊する。そのとき二人の乗組員が亡くなり葬られている。上運天はウンシマとも呼ばれ、古くは運天(ヒチャンシマともいう)と一つだったのを分離したようである。タキヌウガンは運天と一緒に行なっている。


運天 うんてん
 運天の港は源為朝公渡来伝説でよく知られている。大正5年まで今帰仁村の役場があった場所である。また、近世の四津口の−つが運天港であった。今では海岸沿いに道路が通っているが、運天のムラウチ集落や港へは大正11年に開通したトンネル(運天隧道)を抜けていった。運天港周辺には百按司墓や大北墓や大和人墓などがある。運天森から眺めた運天の集落や屋我地内海は美しい。クンジャーに運天漁港があり、ウッパマにつながるクンジャーバマがある。


古宇利 こうり
 人類発祥伝承をもつ古宇利島。お碗を伏せたような形をし、島の南側に集落が発達している。架橋以前は古宇利島と運天港をフェリーが運航していた。平成17年2月に古宇利大橋が架かり開通した。タキヌウガンや海神祭(ウンジャミ)やサーザーウェ−などの祭祀が今でも行われ、「神の島」とも呼ばれている。島の一番高い標高約107mの地点に烽火制度に使われた遠見台がある。橋詰広場のテナントでは島の特産物が売られている。

 
 

                           説明文は今帰仁村村勢要覧より




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