オヒルギの花が咲いていました。
私たちのカヤックのフィールドでは、貴重な木です。
昔はもっとたくさんあったのですが、どんどん減っていきました。
花の萼(がく)と呼ばれている土台の様な部分がきれいな赤い色をしているところから、アカバナヒルギという別名もあります。
マングローブは紅樹林とか漂木(ひるぎ)、海漂林と呼ばれることもあります。
このオヒルギの萼の色を見ると、なるほど紅樹林っていう感じがしますね。
実際はマングローブの木の幹のところの樹皮が赤い色になることがあるので、紅樹林という名前がついています。
普段はピンとこないのですが、水面近くのところではがれかかっている木の皮を見てみると、確かに赤い色がわかります。
マングローブの樹皮は染料としても活用されてきました。
まさに草木染ですね。
タンニンが多く含まれているので、抗菌や防腐の効果も高いとされています。
タンニンは動物などの皮についている余分なたんぱく質などを取り除いて、革製品にする「なめす」という作業で使われたりしたそうです。
この「なめす=tanning」という言葉からできた名前がタンニンです。
tanningには皮をなめすというほかに、太陽光線などで、肌を焼くという意味があるそうですよ。
tanning machineっていうと、松崎しげるさんのおうちにある機械ですよね。
日焼けするときに体に塗るものもsun-tan oilとか言いますよね。
マングローブは腐りにくいために、海外(南洋)などでは建築資材としての有用性があったわけです。
染色する際には、ただ布地につけるだけでは、色が定着せずに落ちてしまうことがあります。
水に溶ける水溶性という性質が、布地の繊維に入り込み、色を染めるのに欠かせません。
それの定着、つまり不溶性(水に溶けださない性質)に変えるための作業が必要です。
その時に色を定着させたり、発色させて美しい色合いを出す作業が媒染(ばいせん)です。
媒染にはいろいろな物質があります。
その種類によって、発色が変わってきます。
染め上がりの色が違うということです。
マングローブの樹皮を使った染料が丹殻(たんがら)とか紅樹皮と呼ばれているそうです。
ネット上では、オヒルギの別名やオヒルギの染料と紹介しているものもありました。
広くマングローブ(ヒルギ)の染料という紹介もありました。
マングローブ染めやヒルギ染めと呼ばれているものがありますので、機会があればぜひ、手にしてみてくださいね。
沖縄でも、このような染色体験や、工芸品もあるようです。