なきじん海辺の自然学校

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パドルの材質、種類、各部の名称

シーカヤックのパドルについて紹介します



材質

プラスチック、アルミ、FRP、カーボン、ケプラーなど、いろいろな素材があります。ABS樹脂はA(アクリルニトリル)、B(ブジタエン)、S(スチレン)の3種類の素材を組み合わせたプラスチックです。加工もしやすく、丈夫でコストも低く抑えることができる汎用性の高い素材です。現代では、いろいろな製品に活用されています。パドルのブレードに使用されます。アルミは比較的低料金のパドルのシャフトに使われています。安いですが、やや重いです。分割式パドルでは、ジョイントという接続部分で、違う種類の金属と接触することにより、電蝕と呼ばれる腐食が発生することがあります。そうすると強度が落ちてきます。亀裂が入ったり、ぷくぷくと表面が崩れてくることもあります。余談ですが、スクーバダイビングのアルミタンクの電蝕が有名です。タンク部分と、バルブ部分の接続面で発生しやすいです。船舶のドライブやプロペラとつないでいる。ドライブシャフト部分でも発生しますので、船の場合は保護亜鉛を装着します。FRP樹脂はFIBER REINFORCED PLASTICSの略で、繊維強化樹脂の事だそうです。軽量で強度も強く、いろいろな形に成形もしやすいという利点があります。昔から船の修理でよく使っていました。ケプラーは芳香族ポリアミド樹脂の登録商標です。かの有名なデュポン社の化学者が発明したそうです。防弾チョッキにも使用されているほど高い強度を誇っています。アラミド繊維という一般名でも呼ばれています。カーボンは戦闘機やレース用の自転車にも使用されている、軽量で高い強度を持った素材です。とにかく軽いです。でもものすごく高いです。昔はいつかはクラウンなんてセリフもはやりましたが、パドルでいえば、いつかはカーボンかもしれませんね。ブレードは古いところでは、昔のフジタカヌーのファルト(組み立て式)のカヤックでは、ウッドのパドルがついていました。昔の体験教室の手作りのカヌーなどでは、棒状の木に平板を張り付けた手製パドルというのもありました。またまた余談ですが、TBSのアイアム冒険少年という番組では、無人島から人が住む有人島まで自力で脱出してゴールするという企画があって、とっても面白いです。その時に島にあるものを利用して、いかだやカヌーを作って脱出するのですが、それぞれに工夫してパドルも作成しています。機会があれば、是非ご覧になってくださいね。あばれる君がおもしろいです。

各部の名称

水をとらえる羽根の部分をブレードです。自分の方を向いている面が、水をとらえるおもての面、パワーフェイスです。フラットになっているブレードもありますが、一般的にはこのパワーフェイスが湾曲してくぼんでいて、水をキャッチしやすくなっているものが多いです。そして裏側の面がノンパワー(バック)フェイスです。ブレーキをかける際や後進する際には、この面を使います。ブレードを接続している棒がシャフト。シャフトのピースが分かれているときの接続部分がジョイント。漕いでいて、ブレードからの水が流れてくるのを軽減するのがドロップリングです。

ピース

ブレードからシャフトまで、固定されているものを1ピースといいます。シャフト中央で分割できるものは2ピース。なかにはシャフトとブレードが取り外しになっていて、なおかつシャフトも分割になっている4ピースパドルもあります。4ピースだと、かなりコンパクトになるので、持ち運ぶ際には便利です。分割式のものはブレードのアングル調整をして、フェザーやアンフェザーにできるものがあります。ただ、接続部のジョイントが増えるとパドルとしての剛性(耐久性)が落ちるほか、重くなってしまうという欠点があります。

ブレードの形状

大きく分けると幅が比較的広めのワイドタイプとやや狭めのナロータイプがあります。ワイドだと水をたくさんとらえることができるので、リバーカヤックや回転競技など瞬発力が必要な時に便利です。そしてブレイズといって、ブレード面で水面を抑えることによって、カヤックの安定を保つ際にも便利です。一般的なレジャーでも使いやすい汎用型です。ただし長距離のツーリングや荷物を満載した、重量がある状態のカヤックでは、漕ぎ手にかなりの負荷がかかります。強い風が吹きつつけるようなコンディションでは不利になります。広いブレード面が風を強く受けたり、時にはた高い波が強く当たることも。ブレードのアングルをフェザーにすることで、空中にある時のブレード面が平行になり、これらの影響を軽減することも可能ではありますが、、吹き上げる風や波に対しては、幅広い面にかかる力は大きいです。それに対してナローパドルは幅が狭くて、やや細長い感じですが、海などでのロングツーリングの際に疲れにくく便利です。一定のペースを保ちつつ漕ぐことができて、漕ぎ手の筋肉や関節に対する負担も少ないです。海面上で風や波も受けにくいです。ただ慣れた漕ぎ手でなければ、効率的に水をコントロールすることがむつかしいかもしれません。

シャフトの形状

まっすぐになっているストレートなシャフトが一般的です。折れ曲がっているエルゴシャフトというタイプもありますが、熟練したカヤッカーでなければ、うまく使いこなせないかもしれません。このあたりの選択は個人の好みになると思います。価格としては高くなるので、私は手が届きません。シャフトはグリップ感が良くなるように、利き腕側のシャフトがやや楕円になっているものもあります(アタッチメントになっていて、左利きの人は反対側に取り付けられるタイプのものがあります)。材質ですが、アルミのものは価格が安いという利点がありますが、総じて重たいです。ファイバーのものが軽くて、長時間のパドリングでも疲れにくいです。

アンフェザー

左右のブレードの角度が同じになっているもの(平行)はアンフェザーと呼ばれている角度のセッティングとなっています。パドリングの際に、手首を返すというアクションなしに、比較的スムーズに水をキャッチすることができます。マングローブツアーや初心者の海での体験などでは、手首の返しの動作をはさまないアンフェザーのセッティングが多いようです。海辺の自然学校のツアーでも通常はアンフェザーです。向かい風の時はブレード面が風の抵抗を大きく受けますが、逆に追い風の場合は、まるで帆のように風を受けてくれたりもします。漕がずにパドルを水面上に保持しているだけで、進んでいくので面白いです。

フェザー

左右のブレードの角度が違っているセッティング(ねじれたアングル)をフェザーといいます。ワンピースのパドルは固定式なので角度が決まっていますが、2ピースや4ピースの製品は、90度違うものやそれよりもやや緩いアングルなど、いくつかの角度が選べるものもあります。手首を返すという意味です。利き腕で水をキャッチした後で、反対側の水をキャッチするために、手首の返しが必要となります。空気中に出ているブレードは水面に対して水平となっているので、海でのツーリングの際にも風の抵抗を低く抑えることもできます。慣れるとむつかしくはないのです。経験者の方の場合は、ご自分でフェザーに調整されている方もいらっしゃいます。ただ、手首の関節が固い人は、長時間のツーリングで腱鞘炎になるかもしれません。。

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