なきじん海辺の自然学校

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マングローブの今とこれから

地球

マングローブは地球環境や私たちの生活に重要ですが・・

世界や日本のマングローブの現状や問題点、そしてこれからのことをちょっとだけ考えていきたいと思います。

世界のマングローブ

世界という視点で考えると、熱帯林の減少と同じようにマングローブの減少も重大な環境問題だといえます。

薪

開発

世界的には沿岸地域の開発に伴う伐採や、薪や炭、建築資材などの資源としての伐採も東南アジアを中心に広い範囲で行われてきたようです。マングローブの炭は周辺の住民生活においては大切な燃料でしたが、近年ではバーベキュー用の商品として、広く世界中に流通しています。私たちは日本国内のホームセンターや100円均一ショップでも目にすることができます。マングローブを伐採してエビ養殖のための養殖池をつくったりという事例もあります。フォレストガンプに出てきたような沿岸域でのエビのトロール漁もありますが、養殖という方法もあります。広い面積を確保しやすく、岸辺にあり造成もしやすかったこと、栄養の豊富さ、農地としての活用は難しいこと、エビの商品価値や世界的な需要などが考えられます。環境問題ということが学校の授業でも広く取り入れられたころに、東南アジアでは広大なマングローブ林が伐採されて、エビ養殖場になり、世界で1番エビが好きな日本に大量に出荷されているという記事を読んだことがあります。しかしエビの病気や飼料の使用による土壌の汚染のケースもあり、これを改善するよりは、さらに新しい養殖池を造成したほうがコスト的に優れているということが、マングローブ林の減少に繋がってきたようです。

トロール船

エビのトロール船
映画のフォレストガンプで主人公が親友ババの遺志を継いで、未体験のエビ漁をはじめたエピソードが印象的でした。あれがエビのトロール漁です。ただエビ以外の海洋生物も混獲されてしまうという問題もあります。混獲率が一番高い漁業はエビのトロール漁であるという記事がネットにもありました。

養殖

エビの養殖池
エビの養殖方法は大きく分けて2種類あるそうです。粗放養殖と集約養殖です。集約養殖はコンクリートや土などで田んぼのような区画をつくった養殖場で行われ、人工的な飼料を与えて大量に育てます。粗放養殖は自然の地形を利用した養殖池で比較的少数のエビを自然にある餌や栄養で育てます。環境破壊の問題となったのは集約養殖池の造成のために、広大なマングローブ林が伐採されたことです。
(適当な画像が見つからなかったので、こんな写真です)

エビ

エビ
エビ養殖は古くは日本でのクルマエビ養殖の成功が始まりのようです。現在ではブラックタイガーやバナメイエビなどが海外でも養殖されて、広く流通しています。価格もクルマエビと比べると安いので、日本のご家庭でもなじみが深いです。

マングローブ

温暖化

近年は温暖化による海水面の上昇という重大な問題もあり、水没する恐れがある地域にマングローブを植樹するような活動も行われています。海岸の浸食を軽減する働きがあるといわれています。企業の社会貢献活動(CSR)の一環として、日本の企業が海外で植樹活動に協力しているというのは、テレビコマーシャルを通じてもよく見かけることとなりました。

日本のマングローブ

日本という視点で考えると

浸水

生活環境の改善

人間の生活環境の改善のためにマングローブが伐採されるケースは過去も現在も続いていると思われます。
大雨によって河川が氾濫すると、周辺の地域が浸水して大きな被害が生じます。時には住宅が浸水したり、時には農地が浸水してしまったりと私たちの生活に大きな影響を及ぼします。そのために河川の護岸工事を行い、その際にマングローブが伐採されることもあります。

開発

インフラ整備

インフラ整備として道路などの交通網の整備のための架橋や道幅拡張の際、港湾整備、宅地や商業地の造成のための埋め立て整備などで、周辺のマングローブが伐採されることもあります。
生活環境の整備や防災などの観点で考えると、マングローブ林やその周辺環境の自然保護という事柄も解決が難しい部分があるように思われます。安全や生活を優先し尊重する中で、よりよい環境保護の方法が見つかればと思います。

沖縄のマングローブ

日本にあるマングローブの多くが沖縄県にあることから、沖縄の問題=日本の問題ともいえます。

慶佐次川

沖縄各地では

沖縄県内でもいろいろな地域にマングローブがあります。西表島のような広大な林や本島では東村の慶佐次川の周辺など、大きな規模のものもあります。そして小さな河川が海に注ぎ込むようなところに、小規模でひっそりと生えているものもあります。すべてのマングローブやその周辺環境が整備されていたり、保護されているわけではありませんが、地元の地域にとってはとても貴重な自然環境であり、観光資源として活用されているところもあります。

ヒルギダマシ

外来種

近年そこにはなかったようなマングローブの品種が増えてきたことにより、自生していた在来種が圧迫・侵食されていくという可能性も出てきています。世界的にマングローブ林を再生させる試みとして、植樹活動が活発化してきています。しかし本来、生育していなかったような場所への植樹や、もともと存在していなかった種類のマングローブを植樹することによって新たな問題が発生するともいわれています。


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