なきじん海辺の自然学校

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自然界の循環

生態系


マングローブ生態系も自然界の循環に組み込まれています

自然界の循環という大きな枠は、実際にはこれを構成する物質の循環であるといえます。地球環境を大きく3つに分けてとらえると、大気、海洋、大地(大陸)となります。違った見方をすれば、物質の3体である気体、液体、固体と考えることができるかもしれません。これらのものは様々な環境的要因によって、姿を変えながら、地球上、自然界に存在しています。一つのところにとどまることなく、姿を変えて、移動、循環を繰り返しています。
マングローブ域は海洋の生態系、河川の生態系、陸上の生態系のそれぞれのいろいろな特徴をあわせもっている独特の生態系を持っています。まわりをとりまいている太陽光線、二酸化炭素、酸素、水、土などと関連した物質の循環のような環境条件とも密接なつながりを持っています。

アダン

侵蝕と堆積

雨が降って、地面が浸食されると、削られた土砂は川の上流域から、下流域へと運ばれていきます。そして、これらが堆積することによって、マングローブ植物が生育しやすい環境が作られます。マングローブ域はさらに土や泥をとどめやすく、堆積が続きます。陸側では堆積地にパイオニア植物が生育することにより、後背地の陸地化が進むことになります。山や森、特に農作地などから流出した赤土などの土砂による、海洋汚染が近年では大きな問題になっています。しかしマングローブ域がこれらを受け止める働きを持っているのかもしれません。海側では、海流や波による地形の侵蝕を防ぐ役割もあります。



呼吸

マングローブも生育するために酸素を必要としています。オヒルギの膝根は土中から出ている部分で呼吸しています。潮が引いて、空気中に露出すると、酸素を取り入れることができる呼吸根になっています。マングローブ域の土壌は泥になっていて、通気性も悪く、酸素が少ないために、このような仕組みも役に立っています。

光合成と二酸化炭素の固定

マングローブも光合成をおこなうことによって、酸素を放出し、二酸化炭素を取り込んでいます。取り込まれた二酸化炭素は、木の内部に蓄積されていきます。近年では、熱帯雨林よりも多くの二酸化炭素を吸収・固定しているということも話題になっています。地球温暖化の抑制にも重要な働きを持っています。ヤエヤマヒルギの支柱根なども、光合成をおこなっています。光合成の機能を持っている種類の根は、潮が満ちて、水没している状態でも、光合成をおこなうことができるそうです。

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