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見出し

マングローブ後背地や隣接エリアの植物

アダン

ちょっと地味ですが、フィールドで見かけた植物

マングローブの仲間は広い範囲で考えるとかなり多くの種類があり、そしてその後背地や隣接しているエリアにもいろいろな植物があります。ちょっと地味ではありますが、私たちのフィールドで見かけるものを紹介しています。ただマングローブの説明がメインなので、ここでピックアップしている植物は、ツアーではちょっとだけふれる程度です。
アダン

アダン

沖縄の海岸でよく見ることができる植物です。これも広い範囲ではマングローブの仲間になります。海岸線が浸食されるのを防いでくれる大切な海岸植物の一つです。パインのようなオレンジ色の実をつけます。
パイナップル?って聞かれることもあります。アダンの熟した実です。とてもきれいです。果肉の柔らかいところが少しあるので、かじってみるととても甘いです。昔の沖縄の子供たちのおやつです。甘いものは貴重でしたから。
よくオリイオオコウモリが夕方から夜にかけてやってきて、抱きかかえるようにして、かじりついています。
熟した実が落下すると、オカヤドカリたちにとってはごちそうです。小さいものから、大きなムラサキオカヤドカリまで、一生懸命に食べています。実は繊維質がいっぱいです。漂流して、どこかの砂浜で芽を出します。この実を使ったアダン筆というのもあります。

オオハマボウ

オオハマボウ

沖縄ではユウナと呼ばれています。これもアダンと同様に海岸線の浸食を防ぐ、マングローブの仲間です。ユウナの木の下でというと昔の素敵な海辺のデート場所です。朝に咲くレモン色の花は夕方には赤みを帯びて落下する1日花です。葉はむかしトイレットペーパーの代わりにもなりました。
ユウナの花です。朝、レモン色の美しい花が咲きます。翌日咲く分も、つぼみとしてたくさんついています。毎日、見ていると楽しいです。本当に次から次へと咲いていきます。
夕方近くになると、朝はレモン色で鮮やかな色彩だった花が、オレンジ色っぽくなってきます。これはこれで美しいです。その日のうちに次々と落花していきます。なかに翌日くらいまで木について残っているものも。花の色変わりから心変わりを連想し、浮気花というあだ名もついています。
ほんとうに1日花です。落ちた花は、流されて水面を旅することもあります。とても美しい光景です。夕方ごろのカヤックツアーでは、こんなシーンに出くわすこともあり、楽しいです。
浜辺に落ちてる花は、いずれはこんな感じになります。花の色も赤みをさらに帯びています。花びらもさらに広がっていますね。朝に咲いていた姿とはだいぶ変わります。

イボタクサギ

イボタクサギ

葉っぱを折ってニオイをかぐと臭く感じるところから、クサギです。実際にツアー参加者ににおいをかいでもらうと、臭いという方や良い香りという方もいます。ですからちょっと名前の由来が気の毒な感じがします。
白くてかわいい花が咲きます。名前の由来からは想像もつかないですね。

ハゼノキ

ハゼノキ

沖縄でハンジャギーと呼ばれています。ウルシの仲間です。さわるとかぶれます。枯れた葉が赤くなるのでわかりやすいです。
新緑のころは葉っぱが、みんな緑色なので、ちょっとわかりにくいかもしれません。注意しましょう。
秋は紅葉がとてもきれいで目立ちます。

オキナワキョウチクトウ

オキナワキョウチクトウ

葉っぱが竹に、花が桃の花に似ているところからキョウチクトウ(夾竹桃)だそうです。公園内にあったり、街路樹としても植えられています。全体的に毒を持っています。沖縄で自生しているものは別名ミフクラギ(目脹ら木)。白い花です。木を触って、目をこすると目がふくれるでミフクラギです。園芸品種はピンクや白の花です。那覇空港近くや高速道路でもよく目にします。昔は樹液を使い魚を麻痺させてとることもあったそうです(魚毒、毒流し漁)。今では禁止されていますが。余談ですが、これよりももっと危険だったのがダイナマイト漁で、戦後の沖縄では行われていたこともあったそうです。
これは園芸品種です。他にも多数の園芸品種があるようです。自生種と比べると葉の大きさも小さめだったり、花も八重があったりです。

ガジュマル

ガジュマル

クワ科でイチジクの仲間です。沖縄でとても有名な木です。アコウと同じように絞殺しの木(絞殺し植物)とも呼ばれています。鳥などによって散布された種が他の植物の樹上で発芽し、宿主の木の栄養を奪ったりして成長するにしたがって、覆い隠し、根が木を締め付けて行って最終的には枯れ死させてしまうところから名づけられています。熱帯や亜熱帯という地域で素早く成長するための戦略だとも言えます。本来の木が枯れ死してなくなり、空洞化してハブの巣になるから屋敷内には植えないようにと言われたことがあります。ソテツなどと一緒に石灰岩の大地に複雑に根を張ることで、しっかりと生育しています。古くて立派なガジュマルにはキジムナーという妖精(妖怪)が棲んでいるといわれます。体が赤かったり、髪の毛が真っ赤だったりします。余談ですが、ゲゲゲの鬼太郎にもキジムナーがでてきますが、水木しげる先生のお母さんのアドバイスで登場させたと、ドラマが放送されていたころに目にしたことがあります。今帰仁の天底小学校には学者ガジュマルと呼ばれている大きなガジュマルがあります。名護にはヒンプンガジュマルというのがあって、まるで名護の入り口を守っているかのような貫禄があります。
葉。
果実。イチジクの仲間なので実の中に花が咲きます。枝の先に実というか花がつきます。花嚢と呼ばれています。アコウは幹や枝の途中につきます(幹生花)。イチジクコバチという虫が受粉を手伝います。。
樹皮。

シマオオタニワタリ

シマオオタニワタリ

葉の裏側には、こんな胞子嚢がつきます。

クサトベラ

海岸植物です。海でよく見ることができます。
普通の花がちょうど半分になったような変わった形です。

トベラ

トベラ

海岸に近いところなどに生えています。
かわいい白い花が咲きます。
実が熟して、このように割れてきれいな赤い色が目立つようになります。
最後は、こんな感じになります。おもいっきり開いています。

リュウキュウマツ

リュウキュウマツ

後背地にはリュウキュウマツもあります。なかにはマングローブと競うかのように枝を水辺まで張り出しているものも。太陽の光を求めて、貪欲に枝葉を展開しています。

クワズイモ

クワズイモ

観賞植物としても人気があります。ただし沖縄の森や林には普通に生えています。食べられないからクワズイモです。樹液に毒があって、さわるとかぶれます。目に入ったりするとかなり危険です。シュウ酸カルシウムが含まれていて、これが針状の結晶らしく、刺激性と毒性が非常に強いです。沖縄の子どもは昔、雨が降ると傘代わりにして遊んでいたことも(やっぱりかぶれたそうです)。トトロの傘みたいなイメージです。とても変わった花が咲きます。花が終わるとオレンジ色のきれいな実ができます。サトイモ科の植物はクワズイモのように食べられないものも多いので注意しましょう。
クワズイモの花は独特です。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれている大きな葉の一種が肉穂花序(多肉な軸のまわりに小さい花が密生します)を包み込んでいます。
仏炎とは仏像の背後にある光背(こうはい)という飾りが由来です。後光といわれるようなものにもいくつかの種類があり、光の周りが炎のようにデザインされているものもあることから、仏炎、そして植物用語では仏炎苞といいます。
花が終わると、きれいな赤みを帯びたオレンジ色の実がつきます。写真はもう実の終り頃のものです。

サクララン

サクララン

花が桜に似ているところからサクラランというかわいい名前がついています。つる性の植物です。はじめてこの花を見たときは、あまりにもきれいでかわいくてびっくりしました。

アコウ

アコウ

ガジュマルと同じようにクワ科でイチジクの仲間で、石灰岩の大地に強力に根を張ったり、絞殺し植物というあだ名に代表されるような成長過程を取ることで知られています(詳しくガジュマルの項参照)。幹や枝に直接、実というか花をつけます。幹生花と呼ばれています。5月くらいにはカヤックを漕いでいると、熟した赤い実が落ちてくるのでびっくりします。
新芽を出す前に短期間落葉することがあるそうです。たくさんあった葉っぱがなくなって、最初はびっくりしました。

ホシダ

ホシダ


タイワンコモチシダ

タイワンコモチシダ

別名ハチジョウカグマ。

ホウライシダ

ホウライシダ


クロツグ

クロツグ

沖縄ではマーニーと呼ばれています。ビロウ(クバ)とともにご神木として、御嶽(ウタキ)と呼ばれている神様が降りてくるとされている神聖な森に生えていたりします。木の幹は本土のシュロみたいな感じです。葉っぱはクラフトの材料にも使われています。

ゲッキツ

ゲッキツ

月橘。沖縄ではギギチと呼ばれています。ジャスミンのような甘い香りがしてきたら、この花が近くで咲いている証拠です(ジャスミンティーのものとは別種)。柑橘系で、葉っぱを折るとミカンのすっぱいにおいがします。
とてもかわいくて、きれいな花です。ものすごく甘い香りを放ちます。
赤く熟した実は食べられるそうですが、私はまだ試したことがありません。なんとなくすっぱそうなイメージがあります。

ハマセンナ

マメ科の植物です。おもしろい形の花をつけます。花が終わると、か細いさやができます。

クロヨナ


オオバギ

葉っぱが大きいからオオバギです。ときどき葉が落ちてきたりしますが、大きいのでびっくりします。これも素早く成長する先駆植物(パイオニア植物)です。オオバギポリフェノールというのが発見されて、いろいろな分野に応用できそうだというニュースを聞いたことがあります。
花が終わって、実ができると、はじけて種が落ちます。道路に種が落ち始めるころは、タイヤで踏んだ時にパチパチパチっと、はじけるような音が聞こえます。そんな時は頭上にオオバギがあるはずです。

フヨウ


モンパノキ

海岸植物です。ビロードのような肌触りの葉っぱが特徴です。薬用植物としても知られています。この木を使って、沖縄の海人(うみんちゅ)の漁具である水中眼鏡(ミーカガン)が作られていました。奄美大島のヤドリ浜にあるものが北限だったと記憶しています。

ススキ

ススキ

マングローブ林内にだんだんと土砂が堆積してくると、まっさきに生えてきます。そうなるとあっという間にススキなどの植物に飲み込まれてしまい、いっきに陸地化していきます。オキナワアナジャコの巣も陸地化の要因です。こういう植物はパイオニア植物(先駆植物)とも呼ばれていて、切り開かれたところや裸地にまっさきに侵入して生えてきます。いわば陽樹(陽性植物)なので、日当たりが良いところですくすくと成長していきます。やんばるの森などでは、陰樹(陰性植物)であるスダジイがこれらの植物を追い越して成長することで、最終的には陽樹は日陰になり姿を消していくというような植生の遷移が起こっています。遷移した最終的な姿が極相とか極相林と呼ばれています。沖縄の森は戦争で焼けたり、林業で伐採されたことがあるので、原生林ではなく極相林だと教えてもらったことがあります。沖縄ではススキを結んでサンというものをつくり、魔除けにしたり、食中毒の予防のためにお弁当と一緒に置いたりします(殺菌効果があるわけではなく、モノを腐らせるような悪いものを近づけないという目的です)。

ソテツ

ソテツ

南国の代表的な植物です。イチョウと同じように恐竜がいたような時代からの古い植物だそうです。どちらも精子で受精します。よく琉球石灰岩の岩盤にもしっかりと張り付いています。崖の上から下までありますが、塩水につかる部分は枯れ死してしまいます。実が熟して赤くなるとカラスがくわえていく風景もよく見ることができます。救荒植物として知られていて、沖縄でも昔、飢饉の際に食糧が不足して、それをしのぐために食べたこともあったそうです。そのころはソテツ地獄として県内の教科書に載っていることも。奄美では島津藩の年貢(特に黒糖)の取り立てが厳しかったので、急な斜面にも無理やりサトウキビを植え、土留めとしてソテツを活用し、なおかつこれを食して飢えをしのいだそうです。沖縄ではソテツ料理はほとんど伝えられていませんが、奄美では今も郷土料理として残っています。ただソテツには毒があるので、食べる際にはしっかりとした毒抜きが必要でした。NHKのブラタモリの奄美大島編で、そのあたりのことが紹介されていて、とても面白かったです。
ソテツの雄花です。これからまだ長く伸びていくところです。
ソテツの雌花です。これはもう種子ができ始めている写真です。オレンジ色に熟した実は、カラスがくわえて飛んでいく風景を見ることができます。まわりの果肉だけをかじります。
ソテツの若葉の展開です。新緑がとてもきれいです。まっすぐに直立して伸びた後にロールしていた葉先も広がり始め、葉がだんだんと垂れ下がります。

サツマサンキライ

サツマサンキライ


サルトリイバラ

サルトリイバラ


シャリンバイ

オキナワシャリンバイ

梅の花に似ていることと、葉が車輪状についていることから、この名前がついたそうです。小さくてかわいい花が咲きます。

ハマニンドウ


センダン

センダン

沖縄でシンダンギーと呼ばれています。とてもきれいな藤色の花をつけます。夏になるとセミがいっぱい集まります。木は家具作り、樹皮や実は薬剤に用いられることもあるそうです。また鳥インフルエンザが大きな問題になったころに、センダンの抽出液がウイルスを死滅させる効果があるというニュースを見たことがあります。
花が終わるとかわいいビー玉のような実がたくさんつきます。

ハマイヌビワ

ハマイヌビワ

石灰岩の岩盤にしっかりと根を張って生育しています。「イヌビワの仲間は葉っぱがビワの葉に似ているところからイヌビワという名前がついています(イヌはにせものという意味)。」とずーっと紹介してきたのですが、今回改めて、調べていくと「ビワのような実ができるが、食べてみるとおいしくなく、味が劣っていて役に立たない」という説明に行きつきます。いくら調べても、やっぱりこれです。昔、前者の意味を教わったつもりでしたが、今後は訂正したいと思います。イヌという接頭語は植物に用いられる際は特に「似て非なるもの」とか「まったく役に立たない」ということだそうです。いくつになっても勉強は大事だということを痛感しました。
この赤く熟した実は、鳥たちの大好物のようです。

コバテイシ

本土ではモモタマナと呼ばれています。夏は葉が茂り、とても快適な日陰を提供してくれます。公園や公民館など、人々が集うようなところに植えられることが多かったようです。自生としては、海岸やマングローブの後背地に生えます。
大きな葉が特徴的です。秋から冬にかけては落葉するので、広場などでは日当たりがよくなります。そのかわり落ち葉の掃除が大変かも。
花が終わると面白い形の実をつけます。浮力があるので、潮流散布します。よくオリイオオコウモリがこの実を食べて、食べかすを出します(ペリット)。動物散布(鳥散布)です。他の鳥類のペリットは胃に入れた後で吐き出したものですが、コウモリの場合は、果肉だけをかじったり、果汁を吸ったりして捨てているそうです。この実の中にある小さい仁(じん)と呼ばれる部分は人間も食べることができるそうですが、私はまだ試していません。
マングローブのすぐ後ろにある、このコバテイシは板根が発達しています。満潮時には半分ほど海水に浸かっています。傾斜の低い側ではなく、川と反対の陸地側にだけ板根が伸びています。やはり塩分を嫌ってのことでしょうか。

ツワブキ

フキに似ているけれど、もっと艶(つや)があることから、つやぶきが転じて、ツワブキになったと聞いたことがあります。沖縄の方言名はとてもかわいくて「ちぃぱっぱ」です。食用や薬用植物としても利用できるそうです。北部で見たものは、さらに固有種で、葉の形が違っていました。

バナースペース

なきじん海辺の自然学校

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